暮らしの全てが環境教育
「今までやってきたことの全てが
私にとっては環境教育なんです!」
自分の軸を探る対話をしていた時に
深いところから、グワッと湧き上がってきた
その一言に、涙があふれました。
田舎での暮らしを始めて20年。
この地で暮らしていくためには
東京での仕事を口にしてはいけない…と
自分にかけていた呪縛に気づいた瞬間でした。
私にとって「環境教育」とは
「つながり」を取り戻すこと。
そのために授けられた手法が
「ワークショップ」。
取り戻したい「つながり」とは
人とのつながり
社会とのつながり
自然とのつながり
そして、自分自身とのつながり。
「つながり」を取り戻して
誰もが自分らしく生きられる社会を!
自分らしく生きることで
関わる全てのものも幸せにできる社会に!
それが「環境教育」を
「ワークショップ」で伝えてきた
私の深い部分での理解であり願いでした。
120%で駆け抜ける都会での暮らし
東京時代の私は、バリバリの仕事人。
環境教育の最前線で飛び回っていました。
自然を好きな人が増えることが
自然を守る力になる!
~そんな思いで、架け橋となる「本」を手渡し
ネイチャースクールを運営していた
『木風舎』時代は、幸せな ゆりかご期。
多様な世界があることを知り
多彩な価値観との出会いに心震えた、
私の基本軸をつくってくれた時代でした。
次いで訪れたのは
「自然と共生する社会」
「持続可能な社会」を目指して
全力疾走の『生態計画研究所』時代。
鳥や植物の調査をもとにした施設づくり
自然との共生を提案する報告書づくり
そして「ワークショップ」に邁進!
120%の力で駆け抜けた 熱血期でした。
とりわけ大きな転機は、本の執筆。
『千葉県環境学習ガイドブック』は
“ 学び方を学ぶ手法 ” とも呼ばれる体験学習を
環境教育の場に初めて導入した本として
高い評価をいただきました。
この本を下敷きに著した
『つながりひろがれ環境学習
~こころのエコロジーワークショップ』
(ぎょうせい刊)を出版してからは
講座依頼が急増!各地を飛び回るように。
さらには
「この本のエッセンスを生涯学習の現場で!」
とのオファーもいただき、
国立教育会館の社会教育研修所で
社会教育指導主事の研修講師もするように。
~ここでの実践からは、新たな本
『生涯学習支援のための
参加型学習(ワークショップ)のすすめ方』
(ぎょうせい刊)も誕生しました。
流れを変えた3冊の本(小野三津子著)
おとなのための自然塾 「Be-Nature School 」では
「自分という自然に出会う」に参画。
森との響き合いを体験する
“森とひとつになる” のパートを担当して、
琴線に触れる夜の森への案内もしてきました。
~ここでの出会いも、後に本として結実。
『自分という自然に出会う』(講談社刊)に
赤裸々な半生を書き切りました。
こちらはKindle版として現在も入手可能です。
正直、かなり恥ずかしい内容ですが…
そんな充実の暮らしを一転!
「田舎で子育て」を目指して都会を離れたのは
私なりの「環境教育」の実践であり
「ワークショップ」効果かも…しれません。
何しろ「環境教育」は “ つながりの実践 ” だし
「ワークショップ」は
“ 知っていること ” を “ やっていること ” へと
橋を架ける=つなぐ手法なのですから。
「私にしかできない大事なことは何だろう?」
真剣に問い続けた先に、行きついたのが
いのちに寄り添う「田舎での子育て」でした。
持続可能な社会のために大切なのは
未来へとバトンをつなぐこと。
理想の子育てで、確かな生命をつなぎたい!
自然豊かな中山間地域を活性化したい!
この2つの願いをベースに憧れがプラス
自然と共に生きる
ゆっくり丁寧な暮らしを実践してみたい!
そんな想いを重ねての転身でした。
田舎でもワークショップ
岡山県の山里で自然と共に生きる
医・食・住の暮らしの知恵を実践しながらも、
前著を発展させた本
『つながりひろがれ環境学習
~こころのエコロジーワークショップ2』が誕生。
おかげで特別な発信をしない中でも
ワークショップの依頼は途切れることなく
ずっと継続していただいてきました。
一端として、継続している担当プログラム。
「認知症キャラバン・メイト養成講座」と
「親育ち応援学習プログラム」をご紹介しますね。
「認知症キャラバン・メイト養成講座」は
厚生労働省の旗振りで事業スタート以来のお付き合い。
岡山県下で2800名ものメイトさん養成に関わってきた
定番のワークショップです。
町で「オレンジリング」を見かけると
ついつい頬がゆるみます。
オレンジリングは「認知症サポーター」の証。
「キャラバン・メイト」受講のみなさんが
各地で「認知症サポーター養成講座」を起こして
岡山県内で17万人ものサポーターが誕生している…
高齢化の進んだ中山間地域では
認知症は、とりわけ切実な問題です。
安心して暮らせる地域づくりに
多少は貢献できているかも…と、思うと
何とも嬉しい気持ちになります。
「親育ち応援プログラム」通称「親プロ」は
各市町村で行われている学校支援活動のひとつです。
県内でのキックオフには養成講座を担当。
その後は、津山市で一活動員として
幼・小・中学校の保護者にワークを届けています。
津山市での「親プロ」は、自称「津山方式」。
テキストに縛られずに、講師が特技を活かして
プログラム展開できるところが魅力です。
いただく お題は毎回違うけれど
子育て真っ最中の母ちゃん・父ちゃん達と
笑顔いっぱいのワークショップを毎回楽しんでいます。
様々なワークの中でお伝えする言葉には
この地域で暮らしているからこそ
紡ぎだせる言葉がたくさんあります。
都会での暮らしだけでは
届けることのできない言葉を手渡せた時
「この暮らしをしていて良かった…」と
ささやかながらも喜びに包まれる私です。
暮らしの中からの広がり
目指したのは、エコロジカルライフ
=つながりを大切にした、自然に優しい暮らし。
だから
暮らしの軸は「自然農」と「自然育児」。
草や虫を敵にしない、調和の「自然農」で
植物たちと話ができるようになりたいな♪
できるだけ自然にゆだねた子育てで
子どもの力を引き出せる自分になりたい!
そんな願いを込めてのスタートでした。
それでもやっぱり始まっちゃう♪
環境に関わる活動がしたくて
地域の環境NPOへ…
人としての権利を守る活動がしたくて
人権NPOへ…
いつのまにか
社会に関わる活動も始まっていました。
下の娘が生まれて両親と同居してからは
農作業はバトンタッチ。
さらに活動範囲が広がりました。
とりわけサントリー次世代環境教育である
「森と水の学校」奥大山校に
準備会からお誘いをいただけたのは
私にとっては、願いド真ん中!
人と自然とをつなぐ「インタープリター」の
活動再開です。
サントリー水育HPより
https://mizuiku.suntory.jp/gakko/what/
子育てはゴハン命!とばかりに
台所に立ち続けていた私に響いた言葉は
“ 世界平和は家庭の台所から ”
久志道夫先生の教えを伝える
認定講師としての活動も始めました。
要望に応えての「クッキング教室」や
自分の素質を活かす「九星氣学」講座も開催。
たくさんの方々との出会いに磨かれました。
放射思考で心を整理する手法に共感して
自然治癒力学校認定
延べ200人を超える方々の
心の整理に寄り添う経験もいただきます。
きっと習い性なのでしょうね。
「これイイ!」と思ったものを
伝えたくなってしまうのは(^^)
学校教育と関わる
末の娘も、子どものための自由学校
「きのくに子どもの村学園」に送り出して
ホッとしたら…
公立学校でシンドイ思いをしている
子どもや大人に寄り添う仕事がしたくなって
岡山県義務教育課で働くことを決めました。
話は少し飛びますが
じつは私 “ シンドイ子ども ” からのサバイバー。
虐待・いじめ・体罰全盛期の学校で育ち、
暴力によるフリーズ状態を越えてきました。
だから
田舎暮らしを始めて、ほどなくして出会った
CAP(子どもへの暴力防止)に心震えました。
それは
子ども自身が、暴力から自分を守るための方法を
寸劇などを交えながら伝える人権プログラム。
「私は かけがえのない大切な人」
このメッセージを じんわり沁み込ませてくれる、
人としての力を取り戻す ワークショップです。
「このプログラムを子ども達に届けたい!」
その一念で16年間。
主に小学校への出前講座として
1000人以上もの子ども達や大人に届けてきました。
そんな経歴もあり
子どもに寄り添い・つなぐ役割の
「スクールソーシャルパートナー」を拝受。
CAPではワンチャンスだった子どもとの関りが
一年間は継続的に関われる立場をいただきました。
ここでは
発達凸凹症候群の子ども達のクラスや、
支援室登校の中学生のサポート。
5年目の年には
12の小学校を担当する役もいただきました。
「伝えたがり」の習い性はここでも全開!
パートナーの立場を超えて
もっと子ども達に寄り添いたくて資格を取得。
しつもん財団認定
「魔法の質問キッズインストラクター」や、
アンガーマネージメント協会認定
「キッズインストラクター」として
子ども達に届ける機会もいただけました。
「目の前の人を笑顔にする」
田舎での暮らしを始めてからの私は
気がつくと、ずっとその役割を受け取ってきました。
先生方に貸出・ご紹介したマイ本たち
原点回帰との出会い
年を重ねてくると
「まあ…こんなものかな」と、
安定とも諦めとも言える境地に
なって…きませんか?
「100%の自分ではないけれど
結構やっているから…まあいいよね」
ちょっとくすぶりつつも
穏やかに受け入れる感じ…でしょうか。
スクールソーシャルパートナーも5年目。
なんとなくの不足感の中で出会ったのが
NPO法人「だっぴ」
ここでのワークショップは鮮烈でした!
「だっぴ(脱皮)」のワークとは
子ども×大学生×大人で作る対話の場。
フラットな関係で語り合うことで
若者たちの自己肯定感や有用感を高め、
自分らしく社会に関わる力を育む
キャリア教育プログラムです。
その方法はザックリ言えば、
テーマに対する考えをそれぞれが書き
これを見せ合って対話を重ねること。
趣旨には共感するものの
書いたキーワードを使った対話法は
昔からやってきたことだし…と
あまり期待するでもなく参加しました。
ところがどっこい、体験はスゴイ!
若者の真摯なまなざしに触発されて
忘れかけていた夢や希望や理想…
この子達に恥ずかしくない大人を生きたい!
そんな気持ちが再起動。
同時に湧いてきた思いが
「このプログラムを中学生の私に届けたい!」
中学生の私は、まさに暗黒時代。
友達と呼べる人もなく、教室の片隅。
支えは絵を描くことだけ…という女子でした。
大人で知っているのは親と先生だけ。
「あんなふうになるなら死んだほうがまし…」
大人になることに何の夢もなく、
絶望感しかなかった中学生の私…。
もしもあの時期
魅力的な大人に出会えていたなら
私も夢や希望を描けていたに違いない!
それは疼くような痛みと共に湧き上がった確信でした。
かくて初「だっぴ」を受けて半年後には
「だっぴ」コーディネーターとしてスタート!
一方、地元の津山市でも
「学校地域コーディネータ」の役割をいただき
田舎と都会とを行き来する暮らしが
本格的にスタートしたのでした。
みんなのお母さんとして
多様な経験をいただいたおかげで、
多様な意識・思考・目線をいただきました。
都会の意識、田舎の意識。
大人の思考、子どもの思考。
自営業、会社員、行政、NPOとしての目線…
そこで磨かれたものは
寄り添う力・引き出す力。
キーワードは、やっぱり「つながり」。
時には、人とのつながり
時には、社会とのつながり
時には、自然とのつながり
そして、自分自身とのつながり。
私はそんな「つながり」を取り戻す役割です。
初めての出産で
生まれたての我が子を胸に抱いた時、
あの時の感覚が、鮮明に思い返されました。
「みんなのお母さんになった!」
この“ 地球みんなのお母さん ” 意識は
その後の環境教育やワークショップへの
導きともなった私の原点の想いでした。
ここまで私を育ててくださった
自然や人や社会にお返しができるように。
そして何より
笑顔でいられる自分自身であるために
力を尽くしたいと思います。
環境教育×生涯学習×社会教育×人権教育×学校教育
=共育
いろんな分野を経験してきたから
今度は垣根を越えて
共に育ち合う場を作っていきます。
どうぞやさしく見守ってくださいね(^^)